趣味でやっているゆっくり解説チャンネル(ノノ〆)のチャンネル登録者が2月に1000人を超えた。ご存知の方も多いように、1000人というのはYouTubeチャンネルを収益化するのに必要な数だ。
趣味と勉強を兼ねたチャンネルではあるが、チャンネルの性質上知識のインプットが欠かせないので、動画を1本作る上だけでも書籍の購入費用がかなりかかる。大学レベルの書籍だと1万を超えてくるのもあるし、懐事情はけっこう厳しい。
そんなわけで、渡りに船だ!と収益化に飛び付いた。ゆっくり解説の収益化に関しては色々問題があり収益化の申請が通るのか心配はあったものの、得に何事もなく通過。
今回は申請通過後の具体的な収益とそれについて思うことを適当に書いていく。
目次
YouTubeの収益公開は規約違反か?
よく「YouTubeの収益を公開することは規約違反」と言われるが、収益を公開しているYouTuberは多くいる。彼らは収益化停止上等でこんなことをしている訳ではない。Google Adsense利用規約の第11条には以下のように書いてある。
本第 11 条にかかわらず、お客様は、自らによる本サービスの利用によりもたらされた Google による支払総額を正確に開示することができます。
Googleから支払われたお金を公開することなら許可されているというわけだ。自分のようなYouTubeからのみ収益を得ている人は、Googleからの支払額がそのままYouTubeの収益となる。
(もちろん、Adsense広告などで別に収益を得ている人はその限りではないし、そのような人がYouTube収益を個別に開示することが規約違反にあたるかどうかはよく調べていないので分からない)
つまり「YouTubeの収益と称してGoogleからの振り込み金額を公開することは規約違反ではない」はずだ。
具体的な収益
自分は以下のような物理系のゆっくり解説動画を投稿している。
ためても仕方ないので単刀直入に言うと、4月の振込金額(=3/1~3/31の収益)は47472円だった。3月の月間視聴回数は76386回だったので、1再生数あたりの収益は約0.62円になる。
期間 | 振込金額 | 視聴回数 | 総再生時間 | 収益/回数 | 収益/時間 |
3/1-3/31 | ¥47472 | 76386 | 8342.6 | 0.62 [¥/回] | 5.69 [¥/時間] |
こう書くと「YouTubeの収益って1再生0.1円じゃないの?」って突っ込まれそうだ。
UUUMの決算資料を見てみると、2021年度の3Qなんかは、チャンネルの総再生回数が113億4500万回なのに対し、YouTubeからのアドセンスが36億7700万円ということなので、1再生あたり約0.32円ということになる。
日本の最大手が1再生0.3円程度なのだから、一般人のやっているチャンネルはさらにその下のランク、0.1~0.2円と予想されるのも頷ける。これに関しては、チャンネルの視聴者層が関係しているのだと思う。
自分のチャンネルの視聴者は幅広い年齢層に渡っている。ピークの視聴者層は40代だ。
(自分で言うと悲しくなってくるが)自分の作っている動画は若い世代が食いつくような作りをしていない。どちらかと言うと、ある程度前提知識を持っている年配者向けだ。
40代となると管理者になるような年齢で使えるお金もあるだろうから、広告効果はかなり期待できる。広告主もそれなりの資金を払っているだろう。そういうわけで、自分のチャンネルの再生単価は高い水準になっているのだと思う。
ゆっくり解説は儲かるか?
当たり前だが、再生数が伸びないと当然儲からない。自分の場合、10本の動画で76386再生、47472円の収益を出すことができた。1本の動画を作るのに合計20~30時間はかかっているので、時給換算すると大体200円/時間くらい。まあ、コンビニでバイトしてた方が何倍もマシな水準である。
1再生あたり0.62円でこの水準なので、ゲーム実況などの若い世代がピークの動画はより低い収益なのだろう。根拠は全く無いが、UUUM所属のYouTuberが1再生0.3円程度であることを考えると、一般のゲーム実況YouTuberの再生単価は0.2円くらいなのではないだろうか。
この水準で5万円稼ごうと思うと、毎月25万再生が必要になる。1万再生の動画を毎日上げる、という感じだろうか。ゲーム実況を「稼ぐ」という目的でやるのはかなり辛そうである(もちろん何らかの手段で年配者の視聴者を獲得できれば、その限りではないと思われるが)。
以上より、「ゆっくり解説は儲かるか?」という問いに対しては、はっきりと「NO」と答えることができる。その分の時間を使って適当なバイトをする方が遥かに効率が良い。
それでも、今後も動画作成は時間を見つけて続けていこうと思っている。その理由は「自分の勉強になるから」以外に無い。何かしらの書籍を読んで動画にする、動画を作る上でさらに補足の書籍を読み新しい知識を獲得する。自分はこの「新しい知識を獲得する」ということに充実感を得る人間なので、サイクルに動画作成を組み込んで、趣味として続けていこうと思う。
わざわざ動画作成を組み込む必要もないかもしれないが、動画を作ることで学んだ知識を整理することにもなるし、何より本を買う元手を得られるというのが偉い。直近だと、大学時代に読んでいたアトキンス物理化学や量子力学の教科書なんかを買い戻したのだが、これだけで1万円オーバー…。この出費をYouTubeの収益でカバーできるのは、精神衛生上かなり良い。
最後に
特異なバズを起こさない限り、ゆっくり解説は儲からない。趣味の延長として、「出費をカバーできれば良いな」くらいの気持ちで動画を作るのが良いと思う。