仕事上の付き合いでよくスナックに連れて行かれる。お題は上司が全て持ってくれるので金銭的には全く痛手ではないが、スナックに滞在する数時間は正直退屈で疲れる。
上司がスナックに連れて行き奢ってくれるのは、別に日頃の仕事をねぎらうためとかではなく、お気に入りのスナックのママにアピールするためだ(もしかしたら部下をイジることによるストレス発散も兼ねてるかもしれない)。
部下を連れていけば「部下を持つと大変で…」とか「この前仕事でこいつをフォローして…」だとか、俺は上司してんだぞアピールを合法的に行える。会話の内容を多少盛っていたとしても、こちらは上司に奢ってもらう以上、へりくだってごまをするのみ。不遜な態度をとってしまえば、以降の仕事で困ること必至だ。
最近はコロナ禍の影響もあり頻度は減ったが、コロナが収束したらまた連れて行かれるのだろう。「実は用事が…」と切り出して逃げるのも良いが、あまり断りすぎて仕事がやりづらくなるのも勘弁だ。
昭和の価値観で生きる会社
自分の上司は付き合いが悪い人を露骨に差別する人だ。気に入らない人は自分のデスクの横に立たせながら平気で数時間説教する。自分も仕事でミスして説教されたことはあるが、最長で5時間くらいだっただろうか。「いやいや5時間って盛ってるだろ」と思うかもしれないが、本当なのだから仕方ない。朝7時前に会社に行ったらすぐに会議室に連れてかれ、1対1で説教されること数時間。気付いたら昼休みになっていた。
仲の良い先輩や後輩がいたこともあったのだが、その上司の毒牙にかかり皆辞めてしまった。ここ10年毎年新人が入社しているらしいが、今の所自分含め2人しか生き残っていない。そんな状況でも良しとする会社なのだ。
ここまで聞くと労基も入らないような小さな会社の話に聞こえるしれないが、これは一部上場企業の話だ。社会的にはハラスメント撲滅が声高に叫ばれていて、自分のいる会社でも取り組む姿勢は見せている。ただその姿勢はあくまでパフォーマンスでしかなく、よく分からん冊子を社員に配って「社員にハラスメント教育を実施!」とかアピールしているだけだ。
過去にはあまりの仕打ちに耐えかねて社内の通報窓口に相談した人がいたようだが、その内容や誰が相談したかという情報が一瞬で出回り、自主的に会社を辞めてしまったようだ。そりゃ社内の通報窓口って言っても総務に電話がつながるだけだからな。そんなところに相談したら筒抜けも良いところである。労基が入り指導されたこともあるようだが、その時も何も改善されなかったらしい。
BUMPを知らない上司
会社の愚痴になってしまった。ハラスメント撲滅を組織の末端まで行き届かせるのは所詮無理な話だ。末端まで行くと、その部署の風潮を支配しているのはそこの上司だ。上司の価値観で何もかもが決まる世界。要するに上司が全て悪いよね、という話。
自分はこれ以上被害を被るのは勘弁なので、飲みだとかゴルフだとかにはなるべく乗るようにしている(最近はコロナ禍のおかげでぱったり無くなったが)。上司が「スナック行くぞ!」と騒ぎ出したら、嫌々ながらも着いていくことにしている。
スナックに行くとまあ当然歌わされる。別に自分は歌が下手というわけではないが、自分が何かを歌う度に「その歌知らんわ」と上司はボヤいている。まあその扱いはひどいもんで、スナックのママと「知らん歌!知らん歌!」とコールを始める程度。お前、天体観測知らんのか。
一度、他の部署の上司とスナックに行ったことがある。その人はBUMPをふんわりとではあるが知っていた。なんでもその人の部下がファンらしい。「君たちぐらいの年代で流行ってたんでしょ?」とも。
その一言だけでその部下のことがとても羨ましく感じた。自分の好きなものについて話し合えるほど、上司とコミュニケーションが取れているんだろうなと。きっと仕事もやりやすいんだろう。
自分もいつか上司になる
とまあ、結局上司の愚痴だったわけだが。
自分も順調に行けばいずれ上司になるときが来るので、こういう自分が部下だったときに感じたことは覚えておきたいな。