最近アニメも軌道に乗って勢いのある呪術廻戦。伏線の張り方が巧みで、作者の芥見先生は漫画が上手いなと尊敬する。
呪術廻戦の伏線については今まで巻ごとにブログに書いてきたが、この記事で総まとめをしておこうと思う。
呪術廻戦のあらすじ
常人離れした身体能力を持つ高校生・虎杖悠仁は、両親の顔を知らず、祖父に育てられた。祖父が逝去した夜、虎杖の学校に眠る「呪物」の封印が解かれ、人を襲う化物・呪霊が現れてしまう。虎杖は「呪物」回収のために現れた呪術師の伏黒恵と共に、取り残された先輩を救うため校舎へ乗り込む。しかし、そこで窮地に追い込まれてしまい、虎杖は力を得るため自ら呪物「宿儺の指」を食べ、特級呪物・両面宿儺が復活する。
その後虎杖は「宿儺の器」として呪術師に捕らえられ、死刑を宣告される。しかし、特級呪術師の五条悟の提案により、「すべての宿儺の指を食してから死ぬ」という猶予が与えられる。
かくして虎杖は都立呪術高専に入学し、呪術師としての人生をスタートさせる。
引用元:Wikipedia「呪術廻戦」
①現在の乙骨の術式
里香との縛りによって、術式のコピー等のチート技を使えた乙骨憂太。最終的に里香を解呪してしまうため「それまでのチート術式の数々が使えなくなってしまったのでは?」と考えられている。
乙骨自体は呪術廻戦本編にまだ登場していない(2021年1月14巻発行現在)ため、現在の彼の術式がどのようなものなのかまだ分からない。
ただ、0巻時点で物に呪いをこめて支配する修行をしているため、呪いとして呪具に術式を封印するようなことができるのなら、チートっぷりは健在かもしれない。
引用元:芥見下々「呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校」(集英社)
②五条悟が夏油の最期にかけた言葉
0巻終盤で乙骨に追い詰められ、瀕死となった夏油と二言三言交わし、止めを刺す五条悟。
まあここについては、何を言ったかを明らかにする方が無粋なシーンなので、五条の発言が明らかにされることは無いと思う。
五条は夏油のことを「たった一人の親友」と形容しているので、それに類することを言ったとは思われるのだが。
③虎杖の驚異的な身体能力
1巻冒頭から虎杖の驚異的な身体能力が描かれる。砲丸投げで世界記録を裕に越す投擲を見せているが、ギャグ漫画のようなネタ描写という訳でも無い。
後に「天与呪縛」という設定が出てくる。先天的な縛りがある代わりに特異な能力を得るというものだ。例えば呪術高専で虎杖の先輩となる禪院真希は、生まれつき呪力が無い、呪霊が見えないという縛りがある代わりに、驚異的な身体能力を持っている。
この設定を見ると、虎杖の身体能力も天与呪縛では?と思えてくる。伏黒も作中で「禪院先輩と同じタイプかな…」と考えている。ただ、代わりに何かを縛られているような描写は無いので、天与呪縛である可能性は低そうだ(それに天与呪縛であるのなら、呪術高専関係者の誰かしらが気付きそうなものだ)。
まあ何かしら出自に秘密がありそうではある。ジャンプにありがちな良血統主人公なのだろうか?
偽夏油が虎杖のことを「我ながら流石と言うべきか」と評していることも考えると、宿儺の器として意図的に誕生させられたのかもしれない。
④虎杖の両親
1巻で虎杖祖父が両親のことについて話そうとするが、虎杖は「興味ねーから」とばっさり切ってしまった。
結局祖父が言おうとしていたことはこの時点では明かされず、両親のことについては分からず仕舞い。虎杖の両親についてはあからさまに情報が伏せられているので、物語の確信に関わる秘密が隠されていそうだ(それを狙ったミスリード、ってのはやりすぎ?)。
祖父の最期の言葉が「オマエは大勢に囲まれて死ね。俺みたいにはなるなよ」だったあたり、この爺ちゃんも過去に一悶着あった気がするがどうなのだろう…。
⑤津美紀が呪われた理由
津美紀は伏黒の義理の姉で、呪いによって寝たきりの状態。肝試しに言った際に呪われ寝たきりとなってしまった。
彼女が寝たきりになるという不平等な現実を突きつけられたことをきっかけに、伏黒は少しでも多くの善人が平等を享受できるよう「不平等に人を助ける」ことを目指す。
伏黒という主要人物に関わるエピソードなので裏に何かあると思うが、もしかしたら上述した伏黒のモットーを補強するためのエピソードとして作られただけで、深い設定はないかもしれない。
⑥宿儺が「契闊」をいつ使うか
引用元:芥見下々「呪術廻戦」2巻(集英社)
1分間誰も殺さないし傷つけないという縛りなら、宿儺も大したことはできないのでは?と思うが…。
現時点(2021年1月14巻発行現在)ではまだ契闊は唱えられていないが、物語の重要な局面で唱えられると予想。
虎杖が死んでしまうと宿儺も道連れで死んでしまうので、それへの保険なのかもしれないが、尺をとって丁寧に描写されていたので何か企みがあるはず。
宿儺の目的が自身の完全復活なら、これまで肉体の主導権を握るチャンスを見逃してきたのことの説明がつかない。
後述するが、宿儺の目的には伏黒の存在が必須のようなので、自身の完全復活の先に何か別の狙いがあるのだろう。
⑦高専3年の秤の存在
五条が「僕に並ぶ術師になる」と評している秤だが、停学中であるという情報以外、全く描写がない(2021年1月14巻時点)。
渋谷事変でも全く登場しないあたり、相当なやらかしをして停学になったと思われる。もしくは停学という体で他の重要任務に着いているのかもしれない。
⑧乙骨が海外にいる理由
引用元:芥見下々「呪術廻戦」4巻(集英社)
33話の扉絵に乙骨がいる。0巻「東京都立呪術高等専門学校」で夏油の仲間だったミゲルもなぜか一緒にいる。背景に写っている木がバオバブなので、おそらくミゲルの故郷のアフリカにいるのだろう。
0巻で五条とミゲルとの戦闘後、彼含めた夏油の部下について五条は「揃いも揃って逃げ果せたよ」と言っていた。
五条を10分間足止めしてかつ逃げ切った程の実力者だったミゲルだったが、その後五条のストーキングにあい捕獲、縛りを課せられ呪術高専に協力することに…って感じだろうか。
乙骨が何をしているかは明かされていないが、0巻では呪具に呪いをこめて戦う修行をしていたので、呪具についての修行のためアフリカにいるのではないだろうか。ミゲルが使用していた呪具も五条を足止めできるほどの性能を持っていたので、呪具の本場なのだろう。
⑨存在しない記憶
5巻の虎杖と東堂の戦闘で、突如東堂の脳内に溢れ出した存在しない記憶。
東堂がヤバい奴として描写され続けているので、虎杖との記憶も東堂の勝手な妄想なのだろうと思えるのだが、この「存在しない記憶を相手の脳に植え付ける」ことが虎杖の術式である可能性が渋谷事変で浮上する。
渋谷事変の虎杖VS脹相編で同様のことが発生するのだ。存在しない記憶を植え付けられた脹相は混乱し、虎杖に止めを刺すことなくその場を離れる。これに関して、現時点では以下の3つの可能性があると思っている。
- 虎杖生来の術式
- 宿儺によって刻まれた術式
- 虎杖にかけられた呪い
虎杖の出自については多くの情報が意図的に伏せられているので、虎杖が生まれながら持っている術式の可能性がある。ただ、五条が「宿儺の術式が刻まれる」と発言していたように、宿儺の術式が虎杖の無意識のうちに発現している可能性もある。
後者だとすると、宿儺自身は動揺する脹相をみて訝しげな表情をしていたので、宿儺本来の術式とは異なる発現の仕方をしているようだ。
一応触れておくと、虎杖の祖父の遺言が「オマエは大勢に囲まれて死ね」だったので、祖父の呪いによってこのような偽りの記憶が植え付けられている可能性も無いわけでは無さそう。しかし、六眼持ちの五条が呪いに気付かないはずがないので可能性はほぼ0だろう。
渋谷編ではこの術式によって脹相がかなり動揺していたが、東堂にそんな素振りは見られない。この記憶が東堂の妄想でないことは分かったが、存在しない記憶をあっさり受け入れるあたり、東堂がヤバい奴であることに変わりは無い。
⑩呪胎九相図の残り6つの所在
名前の通り9つあるはずだが、作中に登場するのは1~3番だけ。これから登場するんだろうか?
⑪天元の正体
引用元:芥見下々「呪術廻戦」7巻(集英社)
不死の術式を持った呪術師である天元。呪術高専では結界を運用しており、それ以外のことには干渉してこないと偽夏油が説明している。
一応、偽夏油の正体は天元であるとする説があるが、偽夏油の正体が天元とすると、この天元についての説明のシーンが白々しすぎるのでそれは無いと思っている。
(偽夏油の正体は最悪の呪術師として名高い加茂憲倫であることが分かったが、その加茂憲倫も乗っ取られていた描写があるので、天元が黒幕である可能性は一応まだ残っている。)
⑫裏梅の正体
初登場時は冥冥に「オカッパ坊主」と呼ばれていた裏梅(名前と見た目的に女性だよな?)。
宿儺は彼女を見た時「裏梅か!」と微妙な表情をしていた。攻撃しなかったあたり敵対関係という訳では無さそう。
日本三大怨霊の1人であり、五条悟の先祖でもある菅原道真が梅を好んでいたそうなので、彼に縁のある人物あるとも考えられる。「裏梅」と言う名前から察するに、菅原道真の寵愛を受けていたが、裏切って宿儺側に着いた呪術師とかだろうか?
宿儺と面識のある彼女がなぜ今も生きているのかも謎のままだ。天元のような不死の術式を持っているか、もしくは封印されていたのだろう(封印されていたのならその理由も気になるが…)。
⑬九十九由基は味方か
夏油の闇堕ちのきっかけになったと言っても良い九十九。
呪詛師となった夏油は五条に殺されるのだが、何者かに体を乗っ取られてしまう。その偽夏油の正体は九十九ではないかと言われている。
まず夏油闇堕ちの要因を作ったことが根拠の1つとなる。特級術師になった夏油に挨拶に来たと九十九は語っていたが、呪霊操術を狙うため夏油の精神を揺さぶりに来たとも考えられる。
また偽夏油の発言で女らしい語尾が出ることもあり、これも九十九説を強める根拠の1つとなっている。
後に偽夏油の正体が「最悪の呪術師」として名高い加茂憲倫であることが分かるが、その加茂憲倫も乗っ取られていた描写があるので、九十九説はまだ選択肢として残る。
ただ九十九の頭には偽夏油のような縫い跡がないので、可能性は低いだろう。
⑭真人が見た簡易領域
引用元:芥見下々「呪術廻戦」10巻(集英社)
メカ丸との戦闘後、真人が意味深に「アレ"も"簡易領域か」と言う。この戦い以前に簡易領域を見たということになるのだが、誰の簡易領域を見たのだろうか?
呪霊たちがアジトとして使用していた陀艮の領域は、生得領域という領域の一歩手前の状態のようなものなので、おそらく簡易領域という扱いにはならない。
渋谷事変で呪霊が一掃された現在、呪霊側で簡易領域を使いそうなのは裏梅くらいしか挙げられない。今後描写されるのだろうか。
⑮宿儺が伏黒を生かす理由
引用元:芥見下々「呪術廻戦」14巻(集英社)
宿儺が伏黒を気に入っている理由が曖昧だったが、このシーンで伏黒を利用する魂胆であることが分かる。
おそらく自身の完全復活を目的としているとは思うのだが、それだと虎杖の肉体の主導権を得る機会を見逃してきたのが腑に落ちない。
伏黒の術式、十種影法術が宿儺の完全復活条件に絡んでくるのだろうか?もしくはその先に隠された目的がある?
最後に
というわけで呪術廻戦の未回収伏線をまとめてみた。伏線が追加・回収され次第追記しようと思う。