数学には不思議な公式が色々ある。例えば有名なのが以下のオイラーの等式だ。
$$e^{πi}+1=0$$
数学の基本的な数である\(e,π,i,1,0\)が一堂に会すると、このような美しい式を作る。数学とは不思議なものだ。
オイラーはこの様な公式をいくつも生み出している。その中の1つに以下のような式がある。
$$1+2+3+…=-\frac{1}{12}$$
\(1,2\)と無限に足していくと、\(-\frac{1}{12}\)になるらしい。はっきり言って意味不明だ。
今回はこの意味不明な式を証明していこうと思う(ただし厳密な証明でないので注意)。
\(1+2+3+…=-\frac{1}{12}\)の証明
まず以下のような数式の展開について考える。
$$(1-x)(1+x)=1-x^2$$
$$(1-x)(1+x+x^2)=1-x^3$$
手計算してみると分かるが、計算途中で項同士がキャンセルされるため、\(1\)と\(x\)の最高次数の項しか残らない。
同様にして以下の式を導くことができる。
$$(1-x)(1+x+x^2+…+x^n)=1-x^{n+1}$$
仮に\(-1<x<1\)とすると、\(n→∞\)で\(x^{n+1}→0\)となるため、以下のように書ける。
$$(1-x)(1+x+x^2+…)=1$$
$$1+x+x^2+…=\frac{1}{1-x}$$
この式の両辺を微分すると以下のようになる。
$$1+2x+3x^2+…=\frac{1}{(1-x)^2}$$
ここで\(x=-1\)とおく(先程仮定した\(-1<x<1\)に反するが、厳密な証明でないと前置きしているので許してほしい)。
$$1-2+3-4+5-…=\frac{1}{4}$$
左辺のマイナスの項が邪魔なので、以下のように変形する。
$$1-2+3-4+5-…+2+4…-2-4…=\frac{1}{4}$$
$$1+2+3+4+5-…-2-2-4-4-…=\frac{1}{4}$$
$$1+2+3+4+5-…-4×(1+2+3+…)=\frac{1}{4}$$
$$-3×(1+2+3+…)=\frac{1}{4}$$
よって
$$1+2+3+…=-\frac{1}{12}$$
(証明終了)
補足
というわけで\(1+2+3+…=-\frac{1}{12}\)が証明できた。
しかし、途中でも触れた通り、\(-1<x<1\)と仮定しておきながら\(x=-1\)とおいている。
あくまで初等的な証明なので、その辺は多めに見て頂きたい…(やる気があったら厳密な証明について続きの記事を書くかも)。